介護・福祉職場のリーダーとして失敗したくない人へ【介護・福祉職場のリーダー像】

仕事力向上

みなさんのまわりには、どんなリーダーがおられますか。
わたしの職場でもたくさんのリーダー(管理職)がおられますが、カッコよくこなしている人もいれば、苦労している方もおられますね。

リーダーになって、失敗する人、しんどくなる人・・色々な方がおられます。

最近では、年齢を問わず、リーダーになることを拒まれる人も多いように思います。
色んな理由があると思いますが、基本、リーダーって大変な仕事です。

 

今回は、介護・福祉現場のリーダーのお話です。
特にケアチームのリーダーであるケアマネジャーさんや、在宅、居宅系の事業所のリーダーさんには特にお伝えしたいです。
興味を持っていただける方、よろしければお読みください。

 

最初にお伝えしたこと・・
介護や福祉職場では、何でも知っている、何でもできるリーダー(管理職等)を目指すのは、やめておいた方が良いです。

「無理をするな」という意味だけではなく、今の時代、どんなに優秀な人でも、こんなリーダーを目指すのは、正直、難しいと思うのです。

 

介護・福祉現場で、どんなリーダーを目指すべきか

まず、結論・・目指すべきリーダーさんって、こんな人です。

目指すリーダー像
「つまずき」や「わからないこと」を、オープンにしながら
いろいろ人とつながって、課題を解決してく姿(過程)を見せてくれる人

リーダーさんは、
  • わからないこと、できないことは、そのことを認めること
  • いろんな人と上手につながって、問題解決していくこと
  • そして、解決する過程を、みんなにきちんと見せてくれる人

みなさん、どう思われますか。こういうリーダーにつくと、チームのメンバーさんは学びも大きいです。人を育てるリーダー像でもあります。

 

何でも「知っている」何でも「できる」リーダーを目指すのは、やめておいた方が良い理由

理由は、次のとおりです。

理由① 介護・福祉ニーズは幅広いから
理由② 制度に改正が頻繁で複雑だから
理由③ 暮らし方の生き方の価値観が多様化し、1つの「答え」を示すことが難しいから・・
理由④ 急速にICT化が進む分野だから
理由⑤ 地域の社会資源も変化するから


こんな環境に置かれている、介護、福祉分野だからこそ・・

  • 何でも「知っている」リーダー
  • 何でも「できる」リーダー

を目指すのは、至難の業です。難しいです。

なぜ、難しいのか、その理由を1つずつ整理していきますね。

 

理由① 介護・福祉ニーズは幅広いから

介護や福祉を必要とする人の 困りごと等(ニーズ)のとても幅は広いです。
これを解決、充足していくのが私たちの仕事です。
目の前の「身のまわりの介護」だけのが仕事ではありません。

つまり、対象は病気や障害、介護だけではないです・・

家族関係や経済や貧困、地域住民との関係、法律や不動産、相続、権利擁護など・・
介護・福祉職は「生活全般の課題」を対象にします。

だから、介護・福祉職で「何でも知っている」は無理だと考えた方が良いです。

リーダーに求められるのは・・
すべてを知ろう、覚えようとするより、いろいろな専門職と、上手につながりながら、課題を整理して、解決方法を導く力です。

理由② 制度に改正が多くて複雑だから

介護報酬や障害福祉サービスの制度は約3年に変わっていきます。1度の報酬・制度改正で新しいルールやどんどん入ってきます。
また、介護・福祉の重要な連携先である医療は、2年に1度の診療報酬改定で介護や福祉との連携にかかわるルールの変更があります。

介護保険、障害福祉サービスにかかわる制度の幅は広く変更があり、すべてを「知っている」は無理があります。

リーダーに求められるのは・・
①制度やサービス、基準や規則のわからない部分を調べる力
②どこの誰に聞いたら、わからないことが解決するか、糸口を知っていること。

 

理由③ 暮らし方、生き方の価値観が多様化し、1つの「答え」を示すことが難しいから

介護・福祉の分野は、本人の暮らしや人生を支える仕事です。もちろん、ここにはご本人の意思決定がその基盤になるものです。

最近では、ご本人の意思を尊重するための、様々な動きがあります。
ACP意思決定支援、等の動きです。

これまでのように、専門職やご家族等が、「本人に良かれ」と思った人生の選択肢を決めてあげれば良いというような時代ではありません。

こうなると、たくさんの「正解」「正しい選択肢」があります。リーダーとしての判断や決断が難しい場面も多くなっています。

 

リーダーに求められるのは、
①いろいろな考え方を、「受け入れる力」とご本人の意思を踏まえて、その声を関係する人へ「代弁(だいべん)」する力です。
②ACPや意思決定支援の内容と動きは、おおまかに理解しておきたいですね。

 

理由④ 急速にICT化が進む分野だから

ICTとは、「Information and Communication Technology」の略で情報通信技術と言われています。国は介護・福祉分野の効率化、生産性の向上を目指してICT化を進めています。
介護ロボットやリフトなどを使った新しい介護方法が生まれています。

 

また、パソコンやインターネットにかかわる知識や技術も必要とされる分野になってきました。介護・福祉分野の職員さんは、この分野に苦手意識を持つ人も多いように感じます。

介護ICT化の流れは、ここ数十年にはなかった介護現場の変化をもたらすことでしょう。(期待を含めて・・)
また、余談ですが、ここ数年の感染症対策も介護現場に大きな変化を与えていますね。

リーダーに求められるのは
①ICT化、効率化が進む中でも、ご利用者主体のブレない軸を持つこと
②自らも勉強を重ねながら、必要な場合はチームメンバーに上手に役割分担することですね。

 

理由⑤ 地域の社会資源も変化するから

ご利用者の暮らしを支える、地域の社会資源もどんどん変化します。
対象とするニーズが多様化しているので、必要な社会資源の量や種類も当然、増えてきます。

サービスの事業所の新規開業や廃業。担当者の変更など、これまでの経験で培ったネットワークがいつまでも同じように使える、存在すると考えない方が良いです。

そもそも、社会資源は、ニーズによって変化するものです。
ニーズ(要望や困りごと)が変われば、社会資源も内容を変えていくのは、自然なことです。
社会資源はもともと生き物みたいなものですよ。

リーダーになって管理業務が入ってくると、現場業務の量は減ってきます。
そうなると地域の社会資源、サービスの担当者等とのつながりが薄くなりますね。

「リーダーだから地域の資源をすべて知っている」というのは無理な話です。

社会資源とは
利用者がニーズを充足したり、問題解決するために活用される各種の制度・施設・機関・設備・資金・物質・法律・情報・集団・個人の有する知識や技術等を総称していう。『精神保健福祉用語辞典』中央法規出版

 

リーダーに求められるのは
①いつでも地域の社会資源の「今」についてアンテナを張っておくこと・・
②自分だけでなく、チームメンバーさんにも地域・社会資源とつながってもらうよう配慮して、チームとして、たくさんの「つながり」をつくる力です。

 

リーダー像は、時代とともに変化する

どの業界にも共通すると思うのですが、

何でもできる強いリーダー」を求める時代では、なくなったんだと思います。

  • サーバントリーダー(支援型リーダー)
  • フォロワーシップ


なんていうキーワードを聞いたことがありますか?

介護、福祉現場のリーダーさんに、ピッタリくるリーダー像を表す言葉なんです。

 

サーバートリーダーとは

サーバントリーダーの「サーバント」とは本来、「使用人」「召使い」という意味です。
サーバントリーダーは、「支援型リーダー」「奉仕型リーダー」とも言われます。

簡単に言えば、「メンバーさんに奉仕の気持ちを持って接して、メンバーさんの持つ力を最大限発揮してもらい、チームの目標を達成する」そんな考え方です。

時代の求めるリーダー像の1つだと思います。介護、福祉現場にもピッタリくるリーダー像です。


能力のある優秀な1人のリーダーに頼る組織では、時代の変化に対応できない。
という考え方は、組織、チームの(人間)関係論、役割の話としても整理できます。

 

フォロワーシップとは

チームリーダーを補佐し、自律的に他のメンバー、チーム全体を支援することの意味です。

「フォローワーシップ」については、平成30年度の介護福祉士の教育内容の見直しでも掲載されました。そんな関係で、最近の介護福祉士養成校では、「リーダーシップ」「フォロワーシップ」も勉強しておられますよ。(「介護福祉士養成テキスト」にも入っています)

ビジネスの世界での言葉じゃなくて、私たちの世界の言葉でもあります。
介護福祉士養成課程の教育内容の見直し(主な事項)

下、ビジネス系の参考書です。よろしければどうぞ。

 



最近の介護福祉士養成テキストには「チームマネジメント」という教科があって、ここで「リーダーシップ」や「フォロワーシップ」を学びます。

 

まとめ

この記事なりに、介護福祉現場で求められる、リーダーさんのタイプを整理しましたが、みなさんはどう感じられましたか。

目指すリーダー像
「つまずき」や「わからないこと」を、オープンにしながら
いろいろ人とつながって、課題を解決してく姿(過程)を見せてくれる人

 

ある意味、簡単なようで、簡単にマネできるリーダー像ではありません。やっぱりリーダーって大変なんですよ。

「うちの職場のリーダーはこんな人じゃないぞ。ぜんぜんダメだ!」と思う方もおられることでしょう。
リーダー本人の努力も大切ですが、チームのメンバーがリーダーを育てる気持ちがなくては、リーダーは育たないです。
いいチームを作るためには、リーダーの役割もメンバーの役割も、それぞれに大切ですね。

みなさんのチームの力が高まって、介護、福祉現場で良い仕事ができることを願っています。
今回も最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。

 

ケアマネジャー、介護福祉士以外にも心理系の講座もあって、おもしろいです。

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